はじめに
パッチは書いて終わりではなく、確かめて届けるまでが修正です。今回の5本は、どれも「書いた後」の話として読めます。2026年5月に修正が出た穴は、修正を当てていない機器で攻撃され続けています。Linus Torvalds 氏が AI を使って書いたカーネルのパッチは、Kiryl Shutsemau 氏の手で18本の RFC に作り直されました。AI が生成する修正の増加は、古いドライバがメンテナ不在になる場面にも現れています。
5本に共通点を見るのは、あくまで書き手の考察です。Linux 7.3 は10月18日(米国時間)に正式リリースされ、7.4 のマージウィンドウが開いています。動画で一次情報と食い違った発言は、各節末の「動画の訂正」にまとめました。
1. PAN-OS GlobalProtect の CVE-2026-0257 — 5月に修正が出た穴が、10月も狙われている
CVE-2026-0257 は、Palo Alto Networks の PAN-OS で GlobalProtect のポータルまたはゲートウェイを使っている環境の脆弱性です。アドバイザリの公開は2026年5月13日です。影響を受けるのは、認証オーバーライドクッキーが有効で、特定の証明書構成がある場合です。分類は CWE-565(Reliance on Cookies without Validation and Integrity Checking)です。Qilin による悪用は7月22日の記事で扱いました。
Unit 42 の10月19日の更新
Unit 42 のブリーフは、10月19日(米国太平洋時間16時)に、ランサムウェアグループの活動を加えて更新されました。10月20日にも、確認と対策の案内を足す更新があります。10月19日の更新によれば、Unit 42 は Spikey Scorpius(別名 Qilin)と Tarnished Scorpius(別名 Inc)による悪用の試みを引き続き観測しています。Settra ランサムウェアを使う攻撃者による悪用は、Unit 42 自身の帰属ではなく、“public reporting” として別に紹介されています。
偽造の仕組みと深刻度
Rapid7 のブログによれば、クッキーの暗号化用の証明書をポータルやゲートウェイの HTTPS など他の機能と使い回していると、未認証の遠隔攻撃者が公開鍵を取得し、任意の認証オーバーライドクッキーを偽造して暗号化できます。Rapid7 の研究部門が作った PoC は5月29日に公開され、同日、CISA の Known Exploited Vulnerabilities カタログにも追加されています。
CVSS は版を分けて読む必要があります。
- Palo Alto のアドバイザリで 4.7(中)から 7.8(高)に変わったのは、CVSS v4.0 の脅威込みスコア(CVSS-BT)です。悪用状況を反映して、5月29日に更新されました。v4.0 の基本スコア(CVSS-B)は最初から 7.8 です
- CVSS v3.1 の 9.1(Critical)は、NVD が付けた別のスコアです
侵入後の流れ
Arctic Wolf のブログは、2026年6月に調べた複数の侵入で、CVE-2026-0257 が初期侵入の経路だったと書いています。LSASS のプロセスメモリからの認証情報の取得、ntdsutil.exe による Active Directory データベースの複製、PsExec と RDP による横展開、Windows イベントログの消去が挙がっています。Microsoft Defender のリアルタイム保護は、一部の事例で、ランサムウェアの展開前に無効化されていました。Arctic Wolf は、侵入後の手口は被害者ごとに異なったとも書いています。
Unit 42 のブリーフの冒頭には、VPN セッションが確立したのは調べた機器の一部で、横展開は確認されていない、という6月からの文が残っています。一方、10月19日の更新節は、RDP と SMB での横展開を挙げ、VPN ゲートウェイから vCenter の管理アプライアンスに移った事例も報告しています。
対象と対策
- 対象は PAN-OS の 10.2・11.1・11.2・12.1 の一部の版と、サポートが切れた旧版です。Panorama と Cloud NGFW は影響を受けません。Prisma Access は 10.2 と 11.2 の一部が対象で、アップグレードは Palo Alto の予定に沿って進められています
- 修正版は、アドバイザリによれば、12.1.7 以降、11.2.12 以降、11.1.15 以降、10.2.18-h6 以降などです。系列と現在の版ごとの修正版は、アドバイザリの Product Status の表で確認します
- 修正版にすると、認証オーバーライドクッキーは安全な方法で作り直されるため、GlobalProtect の利用者は一度だけ再認証が必要です
- すぐに上げられない場合の緩和策は2つあります。認証オーバーライドクッキー専用の証明書を新しく作る方法と、認証オーバーライドの設定を無効にする方法です。ポータルやゲートウェイの証明書を使い回してはいけません
- 確認には、Unit 42 の案内にあるように、GlobalProtect のログで、不審なホスト ID やデバイス名からの gateway-connected イベントを検索します
動画の訂正です。
- 動画では、10月の更新に「VPN セッションが確立したのは一部」「横展開は確認されていない」と書かれていると紹介しましたが、この2文は2026年6月9日版から残る冒頭の文です。10月19日の更新節は、RDP と SMB での横展開と vCenter への移動を報告しています(Unit 42 のブリーフ)。
2. Linus Torvalds の Claude Code 製パッチを、Kiryl Shutsemau 氏が18本の RFC に — 取り込みはまだ先
Meta 所属の Kiryl Shutsemau 氏が、10月19日(UTC)に、ページキャッシュを folio の参照カウントなしで読む RFC を linux-mm に投稿しました。Meta という会社の取り組みではなく、同氏個人の RFC です。カバーレターの件名は “[RFC PATCH 00/18] mm: read the page cache without folio references” です。
元になった Linus 氏のパッチ
Linus Torvalds 氏のブランチ noref-filemap-read-with-llm のコミットは、2026年10月10日付です。本文の Tools 節に、コード、テストプログラム、レビュー、本文の最初の下書きは、同氏の指示のもとで LLM のコーディングアシスタント(Claude Code)が行ったと書かれています。10月13日には、10本のパッチ(ブランチ rcu-free-v3)が LKML に投稿されています。
何を直すのか
カバーレターによれば、多くの CPU が同じファイルを少しずつ読むと、どの CPU も同じ folio の参照カウントを増減し、その cache line を奪い合います。RFC は、読み手がコピーする可能性のある folio の解放を、RCU の猶予期間の後まで遅らせて、参照カウントを不要にします。
18本の内訳は、カバーレターの shortlog で、Linus 氏が作者のものが7本、Shutsemau 氏が作者のものが11本です。Linus 氏の側の草案は、ブランチによって8本(10月10日)または10本(10月13日)で、7本とは別の数え方です。Shutsemau 氏のパッチにも、Linus 氏のパッチにも、Assisted-by: LLM の trailer が付いています。
設計の要点
- フラグ PG_rcu_free は、読み込み時に、繰り返し読まれる(hot な)folio に立てます。ストリーミング読み込みなど、hot にならないデータは遅延の対象外です。フラグは 64 ビット環境だけで使えます
- 解放待ちのページが CPU あたり 4 MiB(4 KiB ページで 1024 ページ)を超え、さらにメモリが逼迫しているときに、猶予期間の短縮を要求して解放を急ぎます
- 待機中のページは、ゾーンごとのカウンタ NR_FREE_RCU_PAGES で数えます。OOM killer に処理を渡す前に待機分を解放して再試行する変更も含まれます
- 新しい読み方を止めるスイッチは、sysctl ではなく debugfs の lockless_page_cache_read で、RFC のパッチ18/18に含まれています。将来、削除される可能性があるとも書かれています
- tmpfs の読み込みにも同じ仕組みを使います
測定結果
測定は、64 vCPU の KVM ゲストを AMD Threadripper 7975WX で動かし、CPU の脆弱性対策を既定のまま有効にして、7.3-rc7 を基準に行われています。64 スレッドで 16 バイトの pread() を行った結果は、カバーレターの値で次のとおりです。
| ファイルシステム | 基準(M reads/s) | RFC(M reads/s) | 比 |
|---|---|---|---|
| EXT4 | 15.0-15.7 | 68.9-70.1 | 約4.5倍 |
| tmpfs | 1.6-1.7 | 71-72 | 40倍超 |
| XFS | 11.3-11.4 | 20.4-20.5 | 約1.8倍 |
1スレッドの読み込みは、ほぼ変わりません(1.6-1.9 が 1.7-2.0)。カバーレターの Open 節には、未解決の点が挙がっています。待機中の folio は、その間どの cgroup にも計上されません。メモリのコンパクションへの影響は、まだ測っていません。書き込み可能にマップされたファイルでは、flush_dcache_page() を実装するアーキテクチャは従来の遅い経路を通ります。
取り込み状況
10月21日の時点で、torvalds/linux の master にこのシリーズは入っていません。RFC として投稿された段階で、議論が続いています。
動画の訂正です。
- 動画では、フラグを「ページキャッシュから外れたページに」立てると紹介しましたが、RFC では、読み込み時に、繰り返し読まれる folio に立てます。フラグの付いた folio が外れるときに、解放を猶予期間の後まで待たせる、という結果は動画のとおりです(カバーレターの 00/18)。
3. GNU Linux-libre 7.3 — 新しいドライバの blob 名を取り除く
GNU Linux-libre は、Linux カーネルから、ソースのない非自由なコンポーネントを取り除くプロジェクトです。7.3-gnu のアナウンスの日時は、10月19日 05:02:14 UTC です。Linux 7.3 のタグ(10月18日 23:14:58 UTC)の約6時間後にあたります。
今回の対象
アナウンスによれば、新しいドライバのうち、Tyr(Arm の Mali GPU 向け)、Morse Micro の mm81x(Wi-Fi)、NXP の Wi-Fi、Realtek の PHY で blob 名を掃除しました。Tyr は、カーネルの Kconfig で Arm Mali CSF 系 GPU 向けの Rust DRM ドライバとされています。Morse Micro の mm81x が対象とする Wi-Fi HaLow は、Wikipedia によれば IEEE 802.11ah の愛称で、1GHz 未満の帯域を使います。
既存のドライバでは、nova-core、amdgpu、adreno、rtw89、mt76 などで、新しく増えた blob 名を掃除しました。今回初めて対象になったのは新しいドライバの4件で、既存のドライバは増えた分の洗い直しです。nova-core は、カーネルの文書によれば、GPU System Processor(GSP)を持つ NVIDIA GPU 向けのドライバです。
何をするプロジェクトか
アナウンスは、ソースコードに見せかけた、または別ファイルで配られる非自由なコンポーネントを取り除き、それらを実行時に要求する処理と、それを指す文書も無効にする、と説明しています。取り除いたものの自由な代替を用意することはしない、という方針も書いています。取り除きの作業は、プロジェクトのページによれば、スクリプト deblob-main が担い、残りの検査には deblob-check を使います。
使う方法
プロジェクトのページには、Debian 系向けの Freesh(.deb)、Fedora や RHEL 系向けの RPM Freedom(.rpm)、PREEMPT_RT 付きの libeRTy(.deb)が載っています。7.3 のアナウンス時点では、ビルド済みのリリースは “available shortly” とされていました。FSF が推奨するディストリビューションには、Parabola、PureOS、Trisquel などがあります。どの版に追従できるかは、使うディストリビューションの案内で確認してください。
歴史
アナウンスによれば、Linux-libre は gNewSense の中で始まり、後に Jeff Moe 氏が引き継いで名付けました。2008年に FSF Latin America が維持するプロジェクトになり、2012年に GNU プロジェクトの一部になっています。Wikipedia は、Alexandre Oliva 氏をメンテナとしています。
動画の訂正はありません。
4. Linux 7.4 のマージウィンドウで、古い EDAC ドライバ4つがメンテナ不在に
Borislav Petkov 氏の EDAC の pull request が、Linus 氏に取り込まれました。マージコミットの日時は、2026年10月20日 18:14:43 UTC です。7.3 の後のマージウィンドウで入ったもので、v7.4-rc1 のタグは10月21日の時点でまだありません。マージウィンドウのほかの動きは10月20日の記事にあります。
取り込まれた内容
マージコミットの本文によれば、i82975x、x38、xgene、i3200 の EDAC ドライバが、MAINTAINERS で Orphan(メンテナ不在)になりました。ドライバのソースは、削除されずに残っています。本文は、これらのドライバには通りすがりの更新(drive-by updates)しか届かず、実際に使っている形跡はメーリングリストにない、と書いています。
理由の核心は、次の一文です。“So, with the advent of AI-generated fixes frenzy, and because no one can really test fixes on those, it is time to sunset them …” 実機で試せないドライバに AI が生成した修正が集まる状況を挙げ、引退させる時期だとしています。削除の時期や予定は、一次では確認できません。
対象のうち3つは2000年代半ばの Intel チップセットのドライバで、X-Gene は Applied Micro(APM)の Arm SoC 向けです。
7.3 の開発サイクルでは、ThunderX と MPC85XX の EDAC ドライバが、先に Orphan になっています。理由は AI ではなく、pull request の本文にある、ハードウェアにアクセスできないことです。
同じマージで、新しい EDAC ドライバも2つ入りました。1つは Intel のハードウェアで bitfix filter をリセットする intel-bff です。bitfix filter は、シリコンの経年劣化などで固着したビットを追跡する仕組みです。長く稼働すると一時的なエラーが溜まって詰まることがあるため、あふれたときにリセットします。もう1つは、ハードウェアがなくても EDAC のコアを VM 上で試せるダミードライバです。
7.1 の削除との関係
7.1 では、ISDN、AX.25(アマチュア無線)、ATM、CAIF などが削除されました。net-deletions のマージは Jakub Kicinski 氏の pull request で、削除は138,161行です。本文は、syzbot が古いコードのバグを見つけ、新しい開発者が直そうとする状況を挙げ、“the LLM-pocalypse” を乗り越えるには専任のオーナーが必要で、いなければ削除する、と書いています。Andrew Lunn 氏の ISA と PCMCIA の Ethernet ドライバの削除シリーズのカバーレターは、AI を使う新人と fuzzer が問題を見つけ、メンテナの仕事が増えている、と書いています。経緯は10月12日の記事にあります。
The Register の2026年8月10日付の記事によれば、Linus 氏は 7.2 の rc6 の大きさについて、修正の多くは AI ツールによるレビューから来ていると述べ、これを “the new normal” と呼びました。
自分の環境の確認
自分の環境が対象かは、lsmod | grep -E 'i82975x_edac|x38_edac|i3200_edac|xgene_edac' で目安がつきます。ドライバがカーネルに組み込まれている場合は、lsmod には出ません。EDAC のログは dmesg | grep EDAC で見られますが、ディストリビューションによっては権限が必要です。
動画の訂正です。
- 動画では、7.1 の約13万8000行の削除を提案したのは Andrew Lunn 氏だと紹介しましたが、net-deletions の pull request は Jakub Kicinski 氏のもので、ISDN、AX.25、ATM、CAIF の削除コミットの作者も Kicinski 氏です。Lunn 氏は、同じマージに含まれる ISA と PCMCIA の Ethernet ドライバ12件の削除(約1万6000行)を提案しました。
5. Siemens Software Center の CVE-2026-110936 と、偽カスタム GPT「Plus 5.6」の ClickFix
2つの話があります。1つは Siemens Software Center の脆弱性 CVE-2026-110936 が悪用されていること、もう1つは ChatGPT のカスタム GPT を入口にした ClickFix の攻撃が見つかったことです。2つが同じ攻撃者の一続きの連鎖だと、確認できた一次情報には書かれていません。以下は、別々の事実として整理します。
Siemens Software Center の脆弱性
Siemens のアドバイザリ SSA-580366 によれば、Software Center は DLL を制御されていない検索パスから読み込みます。認証されたローカルの攻撃者が細工した DLL を置けば、アプリの権限で任意のコードを実行できます。分類は CWE-427 です。
- CVSS v4.0 は 8.4 で、ベクトルは AV:L、PR:H です。ローカルで、高い権限が前提です
- CVSS v3.1 は 6.7(Medium)です
- どちらも Siemens が付けた値で、NVD 自身の評価は、確認時点で “Undergoing Analysis” でした
- 対象は V4.0.9.8 未満のすべての版で、V4.0.9.8 以降に更新します
アドバイザリの改訂履歴は、V1.0(10月15日、公開)、V1.1(10月17日、Siemens Software Center の対策を追加)、V1.2(10月19日、悪用に関するブログ記事への参照を追加)です。Siemens ProductCERT の10月19日のブログは、攻撃者が、有効な署名のある正規の Software Center を使い、その隣に自分のファイルを置いたと説明し、悪意あるファイルとして AllMyBasic.msi と archive.dll を挙げています。カナダのサイバーセキュリティセンターは、10月19日にAV26-1063で注意喚起を出しました。CISA の KEV には、10月20日に追加されています。
Huntress が報告した偽カスタム GPT
Huntress の記事(9月28日公開)によれば、攻撃者は「Plus 5.6」という名前の偽のカスタム GPT を作り、Google Sites のページへ誘導しました。ページは Cloudflare の CAPTCHA 風の画面で、ClickFix の手口により、PowerShell で悪意ある MSI をダウンロードさせます。Huntress は、この Google Sites のドメインに由来する少なくとも40件のインシデントに対応し、そのうち2件がカスタム GPT 経由だと確認しました。
Huntress が OpenAI に連絡し、最初の偽 GPT は9月25日までに削除されました。9月27日に、Huntress が同じキャンペーンに結び付く新しいカスタム GPT を見つけています。Huntress の記事にある連鎖は、Canon の署名付きアプリ(COTFileReadApp.exe)や Stardock の DeElevate64.exe を使った DLL サイドローディングで、ローダーは NuGet パッケージや WAV ファイルに中身を隠していました。記事に Siemens や AllMyBasic.msi の語はありません。
CrowdStrike は、ブログで2026年版 Global Threat Report を引用し、偽 CAPTCHA を使った事案が2025年に563%増えたと書いています。
Forescout が報告した ROMULUS
Forescout の記事(10月15日公開)は、ROMULUS という複数のペイロードを配る ClickFix の配信基盤を分析しています。同じ認証画面を出す6つの IP アドレスを特定し、LegionLoader の配布や、約881.7MBに水増しされた実行ファイルを報告しています。Help Net Security は、ROMULUS のサーバーの1つが、Siemens が AllMyBasic.msi の配布経路として挙げた IP アドレスと同じだと伝えています。ただし、Plus 5.6 経由の感染が Siemens Software Center を使うものだったとは、どの一次情報にも書かれていません。
読者がすること
- Siemens Software Center は V4.0.9.8 以降に更新し、公式の Siemens の配布元だけから入手する
- 見覚えのない MSI や DLL がないか、Siemens ProductCERT のブログにある検知の目安と照らして確認する
- ブラウザの画面から、PowerShell などのコマンドを実行するよう求められたら、実行せずに止める
動画の訂正です。
- 動画では、Huntress によると「40件を超える」インシデントが「1つの Google Sites のページ」につながっていたと紹介しましたが、Huntress の記事は「少なくとも40件」で、起点は特定の Google Sites のドメインです。この40件と Siemens の連鎖が同じだとも書かれていません(Huntress)。
- 動画では、OpenAI が9月25日に最初の偽 GPT を削除し、攻撃者が2日後に代わりの GPT を動かし始めたと紹介しましたが、Huntress の記事は、Huntress が OpenAI に連絡して9月25日までに削除されたこと、9月27日に Huntress が新しいカスタム GPT を見つけたことを書いています。攻撃者が稼働を始めた日とは書かれていません。
まとめ
CVE-2026-0257 は、5月の修正が適用されない環境で、10月も狙われています。Linus 氏が AI を使って書いたパッチは、Shutsemau 氏の手で18本の RFC になり、取り込みの前に未解決の点が整理されました。Linux-libre は、リリースのたびに新しい blob 名を掃除します。EDAC の4ドライバは、実機で試せないまま AI 生成の修正が届く状況を理由に、メンテナ不在になりました。Siemens Software Center の脆弱性は、署名のある正規のソフトの隣に DLL を置く形で悪用されています。この共通点は書き手の考察です。
確かめることを挙げます。
- PAN-OS の GlobalProtect を使っているなら、版を修正版と照らし、認証オーバーライドクッキーの証明書を使い回していないか確認する
- ページキャッシュの RFC は、取り込まれたものと読まず、議論の経過を見る
- Linux-libre を使うなら、ディストリビューションの案内で、追従する版を確認する
- ECC メモリのサーバーや Arm SoC の古い機器を使っているなら、
lsmodで EDAC ドライバの有無を確かめる - Siemens Software Center を入れているなら、V4.0.9.8 以降に更新する
参考リンク
- Palo Alto Networks のアドバイザリ CVE-2026-0257
- Unit 42 のブリーフ
- Shutsemau 氏の RFC カバーレター
- GNU Linux-libre 7.3-gnu のアナウンス
- EDAC pull request のマージコミット
- Siemens SSA-580366
- Huntress の偽カスタム GPT の記事
- Forescout の ROMULUS の分析
(2026/10/21 Linux・OSSトレンド)